2011年1月30日日曜日

エメラルドの都へ

小さい頃、大好きな映画があった。
竜巻に吹き飛ばされた家が落ちたその世界は
マンチキン。
古い古い映画だから、白黒なんだと幼いながらに思っていたら
ドロシーがマンチキンに足を踏み入れたとたん
溢れる色の洪水が・・・
マンチキンの色とりどりの世界が
ドロシーと同じように、マメの視界に飛び込んできた。
こんな演出に、幼いマメは虜になった。
オズの魔法使い。
それは、世界中で愛されているおとぎ話。
主演のジュディ・ガーランドが歌う虹の彼方には
きっと一度は耳にしたことがあるはず。
ハートを失くしたブリキのきこり。
知恵をなくした藁のかかし。
勇気をなくした臆病なライオン。
そしてカンザスからきたドロシー。
そしてトト。
この話はとてもとても有名。
ドロシーはカンザスにもどるために
良い北の魔女の教えもあって、
オズの大魔法使いに会いに、エメラルドの都へと旅立つ。
黄色いレンガの道をたどって。
それを邪魔する、悪い西の魔女。
彼女の妹である悪い東の魔女は、
落ちてきたドロシーの家に押しつぶされて死んでしまった。
その妹の靴を履いているドロシーを狙うわけです。

一般的な魔女というと、黒い衣装に尖がり帽子。
けたたましい笑い声とともに、ほうきに跨り空を飛ぶ。
とても醜く、映画ではその象徴かのように
肌が緑色の女でした。
それと対照的なのが、良い北の魔女。
彼女はシャボン玉に包まれ
光り輝く白い衣装に身を包み
白い肌に輝くブロンド。
光と闇のような対比。

これが、世の中の常識だと
誰もがそう思っているでしょう。
「悪い魔女」と「良い魔女」
「善」と「悪」
一般的な正論。

ただ、それを違った側面から見ると
物事って・・・あっと驚かされることもあるんです。
何が「悪」で何が「正義」か。
アメリカとイラクのような
そんな現代社会にも当てはまるような
そんな問いかけの作品。
それがこの物語。
ウキッド。




スルースとのハシゴイベントで、なんやもらえました。↑







前置きが長くなりましたが
昨日、仕事を終えてから午後公演へ向かうべく
大阪梅田に足を運びましたw
少し遅めのお昼を中崎町のベトナム料理やさんにて頂きました。
同行してくれたミニベリー様のオススメもあり
ウホホと楽しみにしてましたが・・・
本当に美味しかった!!
お昼のランチセットには春巻きもついて
本当にオススメ。
春巻きの方には、香草が少なめでしたが
それでも十分美味しかったです^^
何より、フォーの麺が最高でしたwww
また行きたいです^^
今度こそ、あの界隈をマスターしなければ。
いつも迷うのです、大阪の町って(笑)

そのまま彷徨いがてらハービス内にある大阪四季劇場に。
初めての大阪四季劇場。
2月13日に千秋楽を迎えるウキッドには
正直、何か観たい欲求不満解消としての
「滑り込み鑑賞」でした^^;
取った座席は、一番オテゴロC席。
座席は一番後ろの真ん中ブロック。
これで3000円なら、全然満足なのですww
野中さんがいるなら
まん前を望むけどさー(←ただのバカw)
緞帳には、エメラルドシティを中心とした
オズの国の地図。
地図の上でも、エメラルドシティはエメラルドの光を放っています。
舞台上には、大きな鋼のようなドラゴン。
動くんだろーなーと思っていたら
案の定、動きましたw
それも思った以上に、しなやかに、迫力をもって。
まるで魔力の象徴のような鋼の竜でした。

この物語は、あのオズの魔法使いのもうひとつのお話。
どうして
「良い魔女」はできたの?
どうして
「悪い魔女」はできたの?
その誕生秘話です。
(*以下、ネタバレ的内容含みます。



「wicked witch」は悪い魔女の意を持ちます。
wickedは「邪悪な」という意味。
幕があくと、美しい良い魔女が言う。
「悪い魔女ウキッドは死にました」と。
知ってのとおり、オズの魔法使いの話の中で
悪い魔女はドロシーが水をかけたことにより
死んでしまう。
その事実を伝えるシーンから物語は始まります。
人々は喜んで歌う。
誰にも愛されぬまま、ひとり死んでいった
それが彼女の悲しきさだめ・・・と。
どこかひっかかった。
「誰にも愛されぬまま」と。
じゃぁ、彼女だって、愛されることを望んだってことでしょ?
なのに、さだめ(運命)とは言え、それを笑顔で歌う人々には
なんだか気持ちの悪ささえ思えます。
「悪はどうして生まれるのか」
物語は、その経緯をさかのぼっていきます。
良い魔女、グリンダがのるシャボン玉のような円形が
まるで大きな時計の振り子のようになって
時間はさかのぼっていきます。
実際に、舞台上には、時計のモチーフがたくさんありましたw

エルファバは、生まれつき緑の肌を持つ少女。
マンチキンの総督である父は、エルファバを嫌い
足の不自由な妹を溺愛する。
しかし、エルファバは強い心を持っている。
そして魔法という大きな才能も持っている。
揺るがない優しさをもち、おおらかであり、とても強い。

グリンダは、人気者。
美しい容姿に、誰からも愛される才能を持つ。
だけど、憧れる魔法の才能は持っていない。
このグリンダ。
ブリブリの女の子(笑)
どっかに、こんな娘いるよと思わせる(笑)
冒頭は、なんや、このうっとおしい子!
と思うのですが、あれやあれやと
話が進むにつれて、不思議と好きになっていくんですよ。
可愛いのね、この子(笑)
確かにブリっこ。
だけど、根っこは優しいんですよ。
そして繊細な子なのです。
その弱い部分を補うために、人々からの愛を求める感じです。
クラスのみんなと同じように、エルファバを偏見の目でみて
あれやこれやと、嫌がらせをしますけど
やがて彼女たちは親友になるのです。

この2人が、オズの魔法使い・・・
エメラルドの都にいる王様に謁見することにより
話は急加速します。
ご存知かと思いますが、この陛下。
魔法なんて一切使えないぺーぺーの男。
偉大にして恐ろしいもの・・・ではないw
彼はカンザス近くから気球に乗り
漂着した先が、異世界のエメラルドの都でした。
住民は彼を魔法使いとあがめ、彼も住人を裏切ることができず
オズの魔法使いを演じきるはめになったわけです。
完全なる悪人でない、普通の人なんですよね。
彼は言います。
人々の不安や不満を抑え平和を保つには、共通の敵が必要だと。
共通の敵を与えれば、人々はその原因に納得し
一丸となってその敵と戦うのです。
それには、「悪」を作り出さなければならない。
動物の言葉を取り上げた彼は、
強い魔力を持つエルファバに強力を求めます。


人間は、騙されやすいものです。
そして、自分を守るためには誰かを「悪」に仕立てることもある。
いじめだってそう。
わたしたちの世界には、このシステムは
密かに溢れているんです。
それが真実。
正義って? 悪って?

2人の主人公は、それにぶつかります。
エルファバは、NOと突き放したために悪者に仕立てられ、
同時にグリンダは、良い魔女に祀り上げられる。
エルファバは真実のために戦い
グリンダは良い魔女を演じなければならない。
真実を知るグリンダは
エルファバのことを思い、苦しみながらも
民を不安の渦から守るために
良い魔女を演じ続ける。
どちらも、苦しくて辛い。
でも、どちらも、とても強い意思で。
強い友情と共に。

平和って何か。
善と悪とは何か。
信じている真実は、本当に真実なのか。
違った側面から見れば、本当のもが見えるかもしれない。

悪い人間でも、良い人間でも
結局は、「人間」
邪悪なものは、誰でも持っている。
見つめる方向が違うだけで
善と悪のどちらが見えるかが、変わるだけ。

どうして、いい魔女ができたのか。
どうして、悪い魔女ができたのか。
ブリキは?かかしは?ライオンは?
もし、この作品を見るのなら
映画のオズの魔法使いを観ておくと、いいと思います。
いかに、自分が一方通行で物事を見ていたかということが
わかります。
もっと、いろんな視線で見て、考えてみないと、と。

深い。
たかがおとぎ話。
それを裏側から見つめなおして、話を構想したとたん
深い!

wickdには
「邪悪な」という意味もありますが
同時に
「素晴らしい」という意味もあるそうです。

うん。
深いw

エルファバもグリンダも、特殊ではないんですよ。
嫌がらせもするし、取っ組み合いのオナゴのケンカもするし
秘密の言い合いっこもするし
恋敵にもなる。
とてもリアルなんです。
そのリアルな2人の強い意思は、
強く悲しく、そして美しく・・・・
この作品を見て、「何がどーで、どう感動した」という
ポイント的なプッシュはないんですが
全体的に
大変心を打たれます。
(大好きな役者さんがいないもんで、
本腰で物語に入り込んだせいもあります^^;)
アタシ、前列の方の席だったら
絶対にスタンディングしてたなー。
もう、知らないうちに、泣いてたし
(何がどうで泣いていたという理屈がなく、本能で泣いてた)
すごくすごくチカラをもらえました。
オススメです^^

衣装も、とても可愛いですよ。
そしてエルファバの魂の歌声。
鳥肌たって、全身の毛穴が開いて
全身全霊で、ドバーってなるんです。
こんなに素晴らしい歌唱力と表現力。
すごい。
これだけでも・・・聞いてほしいほど。

とても美しいお話でしたw

でもねー。
個人的に、カカシの位置づけが
こじつけのようで^^;
映画の方にあれだけ忠実に沿っているのに
(後半のネッサローズのシマシマタイツとか、映画と同じだしw)
カカシだけ、なんや無理があるように思えるのよね(笑)
それから、エメラルドの都の住人が
キックボード乗ってたのが
個人的に笑えました(笑)






節分のお豆を、撒く前に
好きな味にしてみた(笑)
健康なおやつwww

3 件のコメント:

Asaki_Yumemishi さんのコメント...

懐かしいですね~。
中学生の頃、この「オズの魔法使い」ボームのシリーズで5~6冊読んだ記憶があります。

すごく、わくわくしたのを思い出しました。
なつかしいです。この、「オズのエメラルドの国」も読みました。

ミニベリー さんのコメント...

あぁ。。。(*´▽`*)良かったよなぁ。。。
帰りの電車で余韻に浸りつつ。。。
オズのDVD貸してもらってて良かったよw
カカシにはやっぱり納得いかんけど 笑”
グリンダのぶりっ子加減、ホンマ可愛かったw

健康おやつ。作ってみるよ( ̄∀ ̄)

マメ さんのコメント...

obaba-53.7さんw
こんにちわ^^
私の幼馴染がオズシリーズ(早川文庫かな?)を読んでました。「何巻あんねん?」って横目で見てましたわ(笑)
私はオスマ姫を読んだくらいでしょうか?
あの頃はマンガもアニメもゲームも、そんなに身の回りになく
身近にあるのは本だけでした。
その中でも、ファンタジーものというのは、
本当にドキドキしましたね^^
手が滑車のやつとか、木にサンドイッチがなってるのとか・・・首を取り替えてくれって言う女の人とか。
うる覚えですが、凄く引き込まれる世界だったことには
違いありませんwwww


ミニベリー様w
良かった~! 本当に良かった。
美女と野獣はモヘーとなってジーンとなるけど
(モヘーとなるのは、間違いなく野中ガストンにだけどw)
ウキッドは・・・ドーン、ジーン、おりゃー!って感じ(笑)
むっちゃ考えてしまう作品でしたなぁ。
福岡は5ヶ月限定公演だっけ?
その次は・・・・名古屋くらいかな?
アイーダ見たいなー(笑)
またよければ、アイーダにオペラ座、ご一緒くださいwww

健康おやつ、大豆は女には良いはずですよー(´∀`*)